BECでは、テストレット5(最後のTESTLET)でWC(Written Communication)が出題されますが、多くの日本人が苦手としている部分でもあります。
理由として挙げられるのは、
・WC対策をする時間的余裕がない。
・そもそも英作文が苦手。
である方がとても多いです。
そこで、帰国子女でも留学経験者でもない私がBECのWC対策で行っていた方法をお伝えしようと思います。
目次
5点から7点を狙う。
BECの日本人合格者がテストレット5のWC(Written Communication)で、どれだけ得点をしているかをご存知ですか?
実は!!
15点満点中、5点から10点の間です。(当サイト調べ)
となると、満点を狙うような勉強をする必要は全くないということが分かります。
どういう勉強をすればいいかと言うと、ずばり「5点~7点」くらいを狙っていくという省エネ的な勉強方法です。
BECの試験に合格している人で「WC対策は全くしていなかった」という合格者は、まずいません。合格者のみなさんは、「7点」くらいは得点をしています。
「5点から7点を本試験では狙う」と目標を決めた場合、次に問題となってくるのは、時間配分ですよね。
次に、テストレット5に費やす時間配分について、考えていこうと思います。
WCにかける時間は45分もあれば十分。
WCは全部で3問出題されます。
1題につき、15分を使えば45分で3題を解き終えることが出来ます。
BECのTBS問題は英文のボリュームが多く、英文の資料も膨大です。なので、WCに時間をたっぷりかけるくらいなら、時間が絶対に足りなくなるであろうTBS問題に使った方がいいです。
TBS問題はテストレット3(2題)・4(2題)なので、「WCにかける余計な時間を、TBSで余分に使ってやろう」と逆算しながら、本試験を受験した方がいいです。
私の場合は、最後のテストレット5(WC)では40分しか使わない!と最初から決めていました。
理由は、
・膨大な量の英作文なんて絶対に書けるはずがない。
と、自信を持っていたからです(汗)
最初から、良い意味で諦めていたので、TBS問題は普通は1題につき15分で解くと思うのですが、BECに関してはTBS問題1題につき20分は費やそうと決めていました。
正直、残り時間40分を切っていて、テストレット5に移りWC対策に取り掛かったとしても、「何とかなる!」とさえ、自信を持って思います。
そもそも、本試験で実際に出題される3題について自分が前もってしっかり準備をしてきた論点がドンピシャで出題されることなんて、滅多にありません。どれだけWC対策を事前に入念にしていても、本番で書ける英作文の量は絶対に普段の練習より、少なくなるはずです。
結果、本番では思った以上に早くテストレット5(WC)を解き終わっていることでしょう。
私はむしろ時間が少し余ってしまった為、「もしも、テストレットを前に戻すことが出来たら、MCやTBSに費やしたいのに~!!」と後悔していました。
それでは、具体的にどうやってWC対策をしていけばいいのかをお伝えしようと思います。
WC対策はMC問題やTBS問題の得点につながる。
多くの人がWC対策に関しては、少し距離を置いています。
「WC対策はちょっと特殊だから、MCやTBSとはちょっと違う感じ」
「時間が無いから、WC対策は後回しにしようかな~」
「WCは最初から捨てようかな~」
などと、どうしても最初は思ってしまいます。でも、実はとてももったいない事をしています。もったいない事をしているというよりは、とてももったいない発想です。
なぜなら、「WC対策をするという事は、MC問題やTBS問題の練習もしている」という事になるからです。
しかも、それはとても濃密なトレーニングになるので、MC問題を解くときなんかは、WC対策をする前と比べてはるかに簡単に解ける問題が多くなっていることが実感できると思います。
[結論]
WC対策もMC問題とTBS問題と同時に行う。
[オススメ]
例えばテキストで「COSO-IC」の内容を勉強したら、WC対策の練習問題で練習が出来そうな同じ範囲のものはないだろうか?と探してみてください。恐らく何かしらの形で「COSO-IC」に関わる練習問題などがあるハズです。
MC問題やTBS問題に取り組んだ後は、最初は息抜き程度でいいので、「どんな内容が問われるのだろう?」程度でいいので、パラパラとWC対策の例題や模範解答をサラッと眺めてみてください。流し読み程度でOKです。
それでは、具体的な取り組み方法をお伝えしようと思います。
自分の言葉で表現する。
よく模範解答を丸暗記しようとする人がいますが、これは絶対にオススメ出来ません。なぜなら、丸暗記をしても本番では書けないからです。論点の理解を自分なりの言葉で理解していることがとても重要です。
でも、最初から自分の言葉で表現できるようになるなんて出来ないハズ!!もちろん私もそうでした。
それでは、どうやって自分の言葉で理解出来て、そして書けるようになるのかをステップ1からステップ3にかけて説明しようと思います。
ステップ1:模範解答を書き出してみる。
まず、ファーストステップとしてWC対策の例題に取り組むときには模範解答をそのまんまそっくりとご自身のノートやwordなどに書き写してみてください。オススメは、wordやメモ機能です。理由は、実際の試験はパソコン上でのタイピング入力になるので、普段からパソコン上で英語のタイピングの練習をしておく必要があるからです。
普段、英語で文章を書いている人は除いて、パソコン上で英語のアルファベットをタイピングすることなんてあまりないのではないでしょうか?
最初は慣れないと思いますが、ぜひがんばってアルファベットさえもブラインドタッチできるレベルまでになれるとイイですね。
ステップ2:難しい英語を簡単な英語に直す。
まず、模範解答を書きだしてみるとすぐに分かると思うのですが、英語がけっこう難しいと感じるはずです。英語のレベルは各々によって違うとは思うのですが、
「普段、こんな英語絶対に自分は使わないよ~」
というような英語をたくさん目にすると思います。そんな難しい言い回しや、ネィティブっぽい表現を丸暗記してもWC対策に関しては全く意味がありません。
なぜなら、採点をするのはAIロボットだからです。もはや、映画の「ターミネーター」、「ステレス」の世界です。一度、観てみてください(笑)
少し、話が脱線しましたが・・・採点をするのは人ではなく、ただのロボットです。
となると、かっこいいネイティブの表現や普段自分が絶対に使わないような英語の言い回しなどは全くもって無意味になります。
むしろ、赤ちゃんが使うような簡単な英語で十分合格できます。
[例1]
例えば、模範解答の中で、
「Internal Control system is effective only if five components of internal control.」といった英文があったとします。
これは、翻訳すると「内部統制には5つの構成要素があります」となるのですが、
普段、only if ~とか絶対に使わないですよね?
こういう英文を暗記しても全く意味がありませんし、AIロボットは以下の表現でもちゃんと採点をしてくれます。
→There are Five components of internal control.(内部統制には5つの構成要素があります)
[例2]
他には、
「Homogeneous goods」(画一的な製品)などを挙げてみます。
普段、homogeneousなんて絶対に使わないですよね?
AIロボットは以下の表現でもちゃんと採点をしてくれます。
→the same kinds of goods(画一的な製品)
こんな風に、どんどん簡単な英語に直していってください。
すると、出来上がった文章はとても幼稚なものに見えるかも知れません。しかし、相手は大学の教授や採点官などではなく、ただのロボットなので、正しい英語と正しい文法を使ってさえいれば得点を与えてくれます。
ステップ3:キーワードの抽出
最後に、キーワードの抽出です。キーワードを抽出した上で、その「キーワードだけで文章が作成できるかどうか」のトレーニングを行います。
キーワードだけ見て、文章が書けるということは、ただの暗記ではなく理解をした上での暗記をしておかないと書けないので、この勉強方法はとても威力を発揮します。
他の科目でもキーワードは重要ですが、BECについては特にキーワードを意識することが重要です。
ご自身が「このキーワードは重要」だと思う部分が、恐らく重要なキーワードだと思うので、そのキーワードを書き出していってください。
私は以下のように、キーワード欄を自分で作って、自分が大事だと思う(このキーワードがあれば文章が書けそうだ)と思うキーワードをどんどん拾っていきました。
[※キーワードの抽出(重要)]
記憶の定着へ
自分で作成したオリジナルの文章をせっかく仕上げたのですから、今度は忘れないようにしたいですよね。
そこで、私のおすすめの方法は、
●出来上がった文章は、スマホで写メをしておく。
→スキマ時間を利用して、少ない時間でもトレーニングができる。トイレなどに行った時は、自分が抽出した「キーワード」だけ見て、文章を書けるかどうかボソボソと言葉にしてつぶやいてみる。出来なかったら、まだきちんと記憶が出来ていない。
●プリントアウトして、クリアファイルなどに入れる。
→何度も何度も取り組んでいく過程を経て、必要だと思う部分があれば付け加えたり、余分だと思う部分は消去したりできる。
[感想]
最初はWC対策はとてもストレスに感じました。模範回答はとても膨大な英文の量ですし、使われている英語も何だか難しい。
「こんな文章、自分には絶対に書けるはずがない!」と何度も思いました。
でも、WC対策に取り組んでいくうちにMC問題やTBS問題が何となく簡単に解けるようになっていくことが実感できて、途中からは「結構、面白いかも!」と思えるようになりました。
WC対策はMC・TBS対策に直結するものだなぁ~と改めて確信しました。
以上、私がおすすめするBECのWC対策でした。
5点から7点を狙う英作文のレベルとは?
ずばり、ご自身で「これだけ書けば半分は貰えるだろう」という感覚によります。(笑)
例えば、「WACCの定義とメリットを答えなさい。」と出題された場合、私なら、ずばり「WACCの定義」だけを書けるようにしておきます。
明らかに足りないような気がしますが、それは後から付け加えたりしていけばいいので、まずは少なくて足りなくてもいいから、WCの演習問題の全範囲を終わらせることに集中した方がいいと思います。
一番、ダメなのは「BECの試験は基本的にITとコーポレートガバナンスからの出題がほとんど」と言われて、それを鵜呑みにして、偏(かたよ)った勉強をしてしまうことです。
全部の範囲を全力で取り組んでしまうと、絶対に最後までもちません。なので、まずは半分くらいの力とストレスで全範囲を終わらせることを優先した方が絶対にいいです。
その後、更に深堀して取り組めそうな部分はがんばって深堀して、文章を付け加えたりすればいいと思います。
WC対策に出題されやすい分野とは?
ずばり、そんな分野は存在しません。これは、各種専門学校などが好む「傾向と対策」なのですが、あまり参考にしない方がいいです。
日本の大学受験や各種資格試験においては、「当てはまることが多い」ものだとは思うのですが、USCPA試験においてはあまり関係がありません。
よく「BECの試験はITとコーポレートガバナンスの分野からの出題がほとんど」とか、「内部統制が熱い!」などと言う人がいますが、あまり根拠がないのが現状です。
ついつい、ラクに合格したいという気持ちが勝って「出題されやすい分野はどこですか?」と質問したくなるのですが、その回答が何かしらの意味を持つほど、USCPAの試験はチョロくはないハズです。
そういう私も聞いた事がありました。USCPAホルダーとして活躍する大学の先輩に、
私:「先輩、どこが出題されるのですか?」
先輩:「お前、何年社会人やってるの?」
私:「・・・(ショック&厳しい)」
でも、それくらいUSCPAの試験は簡単ではないと思います。
「まんべんに、偏(かたよ)りなく、全範囲を学習する」に尽きます。
2018年8月現在、BECのWC対策で出題された3問は以下の内容だと報告を受けています。(当サイト調べ)
1問目:現金主義と発生主義の違いについて(むしろ、FARの内容)
2問目:社債の発行が会社に対して、どのようにAdvantageになるのか(資本コストの分野+むしろFARの内容)
3問目:リカバリー・ディザスター・プランについて(ITの分野)
上記の中に、コーポレートガバナンスからの出題はありません。